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上記写真は2023年8月撮影
- シーラント剤を用いて、チューブレスレディ対応ホイールにチューブレスレディタイヤ(以下:TLRタイヤ)で運用する
- チューブを抜き取り、シーラントを用いることで、さまざまなメリットが得られる
- 専用品でなくても、100円ショップで購入できるもので代替できるものがある
はじめに
安心して長距離を走りたい
パンクの心配をなくしたい
チューブレスレディタイヤのメリットを体感したい
ロードバイクにかかわった方であれば、このようなニーズはきっとお持ちであろう。
わたしも、そのような考えをもっていた。
10年ほど前にアップグレードしたホイールが、EASTON EA90RTという当時はまだ珍しかったチューブレスホイールであった。タイヤをはめるのに四苦八苦したのが懐かしい。
現在では、タイヤが嵌めやすいTLRホイールが普及し、タイヤも様々なメーカーが発売している。シーラントを用いた仕様のものが増えてきた。
チューブレスの運用により、空気圧を軽減することができる。手間が生じるがメリットが得られやすい。
空気圧を低圧にすることで、路面からの衝撃を和らげることができる
今回の機材
我が家にCANYONロードバイク(オールロード)Ultimate CF SLXが届いて1か月が経った。
このバイクにアッセンブルされているZIPP303FCはリム高40㎜で1400gほどの重量で軽快な走行感が得られる。
初期状態ではインナーチューブ(ブチルチューブ)がインサートされている状態であるので、このホイールの良さを引き出すのであれば、チューブを抜き取り、シーラントを用いてTLRタイヤを低圧(3~5.5bar)で運用するのが望ましい。
軽さを活かした登坂力と巡航性能のバランスに優れた40mmハイトのカーボンリムを持つ、ZIPPホイールのベストセラー。
303 Firecrest Tubeless Disc | ZIPP | 株式会社Many’S メニーズ
内幅25mmのフックレスリムは28c~55cまでのチューブレスタイヤを低圧(3~5.5bar)で運用でき、路面抵抗や振動、空気抵抗を減少させ軽快な走行感を提供します。
リム表面に彫られたディンプル加工は、回転することで周囲の空気を整流し、スピード低下の要因となるドラッグはもちろん、ステアリングの挙動を乱す横風にも効果を発揮。
レース、トレーニング、ヒルクライム、グラベル、ロングライドまで、様々なシチュエーションに対応するZIPPの自信作です。
シーラントは、IRC製のものを購入。
国内タイヤメーカーの大手である、井上ゴム工業(IRC)が販売するチューブレスレディタイヤ用のシーラントになる。
(もっと深掘りすると、世界大手であるStan’s【NoTubes】のシーラント剤のOEM製品である)
世界基準の製品相当である
メリット
チューブを抜き取り、シーラントを用いることで、さまざまなメリットが得られるだろう。
1. 低圧での快適な走行
ワイドリムホイールとTLRタイヤの組み合わせにより、低い空気圧での快適な走行が可能となる。内幅25mmのZIPP303FCフックレスリムは低圧時でも安定感とグリップを提供し、不整地や荒れた道路でのライドがさらに楽しくなり、トラクション向上が期待できる。
手のしびれや、筋肉のコリを軽減できる可能性があり
2. 軽量化とパフォーマンス向上
ZIPP303FCにインサートされているブチルチューブを抜き取り、シーラント剤を装填することで、前後ホイールで80gほどの軽量化が図れる。これにより加速性能や登坂時のパフォーマンス向上が期待できる。
ホイール1つあたり 42g軽量化(後述)
Out:チューブ92g
In:シーラント45㏄≒45g + バルブ5g =50g
3. パンクからの解放
シーラントはタイヤ内に封じ込められた空気漏れを即座に修復し、釘やガラスのような小さな対象物によるパンクを防ぐ。ロングライド中に安心感が得られる。
4. 自己修復能力
シーラントはタイヤ内部で穴や小さな裂けを修復するだけでなく、タイヤとリムの間に微小な隙間からの漏れを防ぐ。これにより路面に適した圧力を維持し、走行性能を最適化。ロングライドや過酷な条件下で味方となる。
デメリット
当然ながら、手間と時間、経費が掛かってしまう。
1. セットアップの手間
ホイールのシーラント剤セットアップは、手間がかかる。
タイヤをリムに取り付けたあとのビード上げはコツを要する。シーラントを注入するプロセスは慎重に行う必要があり。
2. シーラントの効力の減少
シーラントは時間とともに効力を失う。定期的なメンテナンスとシーラントの補充が必要。
3. タイヤの選択制限
このZIPP303FCでシーラントを使用する場合、タイヤ制限が生じる。ZIPP303FCで推奨されているタイヤは限定されている。下記リンクにある25C以上のTLRタイヤを導入する必要があり。
2021年モデル以降のZIPP303 S、 303 Firecrest、353 NSW、404 Firecrest、454NSWのチューブレスディスクホイールは、フックレスリムと互換性のあるチューブレスまたはチューブレスレディタイヤではないメーカー以外、チューブレスフックレス(ストレートサイド)リムでの製品の使用を禁止します。
適切な性能と安全性を確保するために、ライダーはタイヤメーカーへの準拠を確認することをお勧めします。
次のタイヤブランドは、チューブレスモデルの一部がZIPPフックレスホイールと互換性があることをZIPPに伝えています。
ZIPP フックレスリムホイール 互換有チューブレスタイヤ一覧 | NEWS | 株式会社Many’S メニーズ
作業工程
シーラント剤の付着、手の汚れ・油から防護する
ビードをリム中央部へ寄せ、タイヤを外す
パーツクリーナーをウェスに塗布し、ふき取る。
今回は完成車に同梱されているものを用いる:実測重量5g
バルブ反対側からビードをリム中央部に均一に寄せていく。
この作業がビード上げの難易度に影響する
きちんとビードが中央に寄って、石鹼水で滑りやすい環境が得られていると、フロアポンプでもビード上げに成功することができる。
私の環境下では、3Bar→4Barの途中圧で、ビードが一気にリムにはまる「パン、パン」という音を発した
バルブコアを外し、シーラント剤の装填
このホイールの場合は、1本45~60㏄相当のシーラントが必要と思われる。まずは最小用量から様子を見る
シーラントが装填できたら、バルブコアを取り付け、再び空気を入れる
ホイールを回して、シーラントをなじませる
タイヤ外周部・リム周辺部に、石鹸水を噴霧して、エア漏れチェックを行う
リムとタイヤの間に気泡(エア漏れ)がなければ良しとする
最適な空気圧
以前の投稿でも触れたTire Pressure Guidから推奨される空気圧で設定。
前:3.6~3.7 後3.9~4.0ほどを目安に運用してみる(チューブが入っていた時より0.3Bar減圧)
まとめ
ホイールとタイヤの相性によっては、ビードが全く上がらない、エア漏れが激しい、といった症状により悩まされることがあるかもしれない。
こういった場合は、リムテープの劣化や、バルブコアのゆるみ、そもそものタイヤの個体差によるエア漏れも考えられる。
チューブを用いたライドが手軽ではあるが、チューブレスタイヤにより空気圧を減圧できるメリットがある。
路面からの衝撃を緩和できるので、体力の消耗を抑え、手のひらのしびれ軽減などロングライド時に有効である。
少々コツがいる作業ではあるが、ショップなどに相談することも一つの手であろう。
このあたりは、走行スタイルにより変化するものであるので、いろいろ試行錯誤を行ってみようと思う。
ホイール1つあたり 42g軽量化
Out:チューブ92g
In:シーラント45㏄≒45g + バルブ5g =50g
FUJI
体力低下が否めないアラフィフチャリダー、気持ちだけは30歳代前半
- 出生:1970年代生まれ 埼玉県
- 体格:身長184cm 体重71kg
(2023年9月現在)
- ロードバイク歴:10年
(年間走行距離10,000㎞程度) - ライドスタイル:
ブルベ歴:
【SR達成】2017~19・2021~23年
:
2022年RM1350(鹿児島~富山)1/2日本縦断
バイクパッキング:
東北縦断・四国一周など
ファンライド・Zwift
- メインバイク:CANYON Ultimate CF SLX
- セカンドバイク:TREK Émonda SL5
- メンテナンス:主にセルフ
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